破綻と破産の違いは?わかりやすく解説
破綻と破産は似たような言葉ですが、 その意味や判断の主体、原因などに違いがあります。 ここでは両者の違いについて解説します。
破綻と破産の意味
破綻とはもろく壊れること、崩れること、または、機能しなくなることです。 会社経営においては経営が行き詰まって成り立たなくなること(状態)を指します。
次のようなケースで破綻という言葉が使われます。
- 会社の業績が悪化し、経営破綻した。
- 経営破綻した自治体が、国からの支援を受けることになった。
破産とは債務者が経済的に破綻することで、 既に弁済期にある全ての債務が債権者に対して一般的・継続的に弁済することができない状態にあるときに、 本人などの申立て権者が裁判所に申立て、裁判所が破産開始決定を下すことによって開始される法的手続のことです。
次のようなケースで破産という言葉が使われます。
- 借金が返済できず、破産した。
- 破産した会社の資産を売却することになった。
破綻と破産の違い
破綻と破産の違いは、大きく分けて以下の3つです。
破綻は状態、破産は手続き
破綻とは、経済的に行き詰まり、債務の支払いが困難になる状態そのものを指します。 一方、破産とは、破綻した状態にある人が、裁判所に破産手続きの開始を申し立て、 裁判所がその申し立てを認めた場合に、開始される法的手続きのことを指します。
破綻は債務者の経済状況、破産は裁判所の判断
破綻は債務者の経済状況によって判断されます。 例えば、債務者が借金の返済ができなくなった場合、それは破綻の状態と言えます。
一方、破産は裁判所の判断によって開始されます。 債務者本人や債権者から破産手続きの開始を申し立てても、 裁判所が破産手続き開始の可否を判断し、破産開始の決定を下す必要があります。
破綻の原因はさまざま、破産は債務超過が主な原因
破綻の原因は、さまざまです。例えば、不景気による売上減少、過剰な借入れ、経営者の不正など、 さまざまな原因が考えられます。
一方、破産は債務超過が主な原因となります。 債務超過とは資産よりも負債の方が大きい状態を指します。 債務超過になると債務の支払いが困難になり、破産に至る可能性があります。
このように、破綻と破産は意味や判断の主体、原因などに違いがあります。
破産のメリットとデメリット
破産のメリットとして、破綻した人は破産手続きをすることで、 借金の返済義務を免除される可能性があります。
しかし、破産手続きには、以下のデメリットもあります。
- 信用情報に事故情報が登録され、一定期間借入れやクレジットカードの利用が制限される。
- 破産管財人に財産を調査され、職業や収入などの情報を開示しなければならない。
まとめ
破綻と破産はどちらも経済的に行き詰まり、債務の支払いが困難になる状態を表す言葉ですが、意味が異なります。 破綻は状態であり、破産は手続きです。 破綻の原因はさまざまですが、破産は債務超過が主な原因です。
破産手続きにはメリットとデメリットがあるため、 検討する場合は弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。